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『間取りのアイデア 戸建編』2014年2月

2016年02月28日

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・守谷の家

・茨城県守谷市

 

自然エネルギーで

身体と心に心地よい

打合せ室のある暮らし

 

周辺環境から導き出された

建物と部屋の配置

 

いわゆるハウスメーカーの住宅が立ち並ぶ住宅街にあって、広い前庭と、軒の高さを低く抑えた外観が目に止まるN邸。玄関脇にはコンクリート打ち放しの壁があり、その絶妙な高さが内部への視線を遮っています。「沖縄のヒンプン(屏風)という、目隠しや魔除けのための壁と同じ働きをしているんですよ」と、設計者の伊礼智さんは語ります。

木や左官仕上げによる穏やかな印象の壁の木造2階建ての住宅は、工務店を営むN夫妻、娘、愛犬が暮らしています。もともと工務店の営業をしていたNさんは、以前から伊礼さんと仕事の上で交流を深めてきました。そして9年前、Nさんが独立時に請け負った住宅の設計を依頼したのが伊礼さん。N邸は、2人で組んで手がけた6つ目の建物です。気心の知れた両者の間で、設計の細かいやり取りはほとんどありませんでした。

「北側にせせらぎが聞こえる遊歩道があり、前庭とどうつなげるかが大きなテーマになりました」と伊礼さん。遊歩道の木々が前面道路から見えるように屋根を低く、風が抜けるように庭を所々に配しながら、表と裏の関係性を高めていったのです。「周辺環境とのフィッティングが間取りを決めました」と振り返ります。

室内の間取りも、遊歩道が拠り所になっています。遊歩道に面して大きな窓を開け、緑あふれる景色をフレーミング。そこをもっとも気持ちのいい場所と設定し、ソファと対面するようにキッチンカウンターを据えました。N夫人は「調理している時間も、木々が見えてうれしいんです」と満足げな様子です。「夏は北側のひんやりした風が通り抜けて涼しいし、屋根で温めた空気を屋内に取り込むソーラーシステムを設置しているので、冬もそれほど寒くない」とNさん。

 

小さい面積だけれど

細やかな場所づくり

この家は、自ら施工した住宅実例として、依頼者や同業者に披露します。そのために仕事場として設けた打ち合わせ室は、こぢんまりとした玄関から入ってすぐの位置。屋根の勾配と合わせて天井を斜めに張った、大らかな吹抜け空間です。プライベート・スペースとは、引き戸の開閉により、また、曲線を描く板敷の式台を介し、床の高さを変えることで区画分けしています。

引き戸を開けると、目に入るのが柱のような造作物。これはダイニングから見ると飾り棚であり、キッチンからは収納スペースとして使われます。また、打ち合わせ室とリビング・ダイニングやキッチンとの間で、両方からの視線を遮る目隠しの役割も。「小さな家では、対角線が長くなるように部屋を配置して、視覚的な広がりをつくります」と伊礼さん。

どの空間も大きいとはいえない面積ですが、収納スペースがたっぷりあり、無駄な物は表に見えてきません。その上、一般的な造り付けの家具とは違って、伊礼さんが図面を描き、大工さんが現場で作っているので空間にぴったり。延べ30坪ほどの面積ながら、微に入り細をうがった設計の心遣いと施工の工夫で居心地のいい生活が描き出されているのです。

 

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