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『新建築 住宅特集』2009年10月号

2016年02月18日

新建築 住宅特集・那珂湊の家
・茨城県ひたちなか市

 

小さな敷地に小さな家を設計する機会が多い。限られた中にできるだけ大きなもの(外部的なものであったり、多機能であったり)を作り出そうと考える。今回は逆である。約200坪の敷地、単調な、ゆったりした町並み。何でもできそうなスペース・・・これといった手がかりが見付からない。クライアントの要望は「森の中に住んでいるような住まい」というのが記憶に残っている。なおさら難しい。二世帯住宅であること、車が三台、成長した子供たちが三人、仕事柄いろいろな神様がいらっしゃることなど、小さな手がかりを縫うようにプランをまとめる。大きなゆったりとした空間を設けるのではなくて、小さな居場所をつなげるように、そして空間のヴォリュームをさまざまに変化させてつなげていくことで、凡庸さを解消できるのではないかと考えた。
(伊礼)

 

 
・コンセプト
小さなものに大きなものを入れ込む

小さなヴォリューム、天井の極端に低い部屋、吹き抜けた解放的な空間、一段上がったところ、細長いところ、方形な部屋、暗い部屋と明るい部屋・・・。それらを暗さのあとに明るさを、低さのあとに高さを、狭さのあとに伸びやかさを、と「入れ子」のようにつなげて動線を与え、住まいの中に町歩きをしているかのような空間の変化があればよいと考えた。
先日、坂本一成さんの「水無瀬の町家」(『新建築』7104、0807)を見せていただく機会を得た。
小さな家の室内で、まるで晴れた日に路地歩きをしているような感覚を得た。いつも住宅のような小さなものの中に外部のような「大きなもの」、「変化」を入れ込めないかと考えている、大げさにならない程度に…。
それが形式的な凡庸さに陥ることなく、暮らしの中に楽しさをもたらす。建物の周りは海に見立てて白玉を敷き、樹木を島のように植えた。
とりとめのないと思えた敷地に風景らしきものが現れ、軒先の水平ラインがすぅ~と伸びた控えめな住まいが、樹木の中から見え隠れすればよいなと思う。
(伊礼)

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