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『建築知識』 2013年3月

2016年02月28日

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・守谷の家

・茨城県守谷市

 

標準化で上質な住まいを

 

「9坪の家」や「15坪の家」といった小住宅を手の物とする伊礼。素材を生かし、下地やディテールの工夫によって良質な“普通の家”をつくり続ける。また、住宅設計において建築家の担うべきデザイン性と住み心地のよさを確保しつつ、安定したコストと施工によって室の高い住宅を供給することを目的に、「設計の標準化」を提唱・実践している。

「守谷の家」には建築主一家3人と犬が暮らす。心地よい佇まいは抑えあ込まれた高さの美にあることを、伊礼は「銘苅家住宅」という沖縄民家で見出し、高さや面積を絞り込んだこの住宅が生まれた。南側に長く低く軒を伸ばした切妻造りで白洲そとん壁掻き落とし仕上げの壁が印象的。室内には火山灰を原料とする薩摩中霧島壁などの自然素材を用いている。開口部と家具の工夫で、コンパクトながら豊かで居心地のよい空間が生まれる。「プレタポルテの家づくり」を理想的かたちで結実させた住宅。

伊礼は家づくりの新たなスタンダードを生み、熱い注目を集め続ける。現代の家づくりの仕組みそのものを変えようとしている建築家の1人である。

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